埼玉県中央部にある「北本自然観察公園」は、雑木林、萱場としての草地、湿地などが残る「石戸宿農事試験場跡地」を市民の環境保全運動によって、1988年以降里地・里山の自然を残して野生生物が生息しやすいよう保全・整備してできた、広さ33haの県立自然公園です。今回は公園の東側、半分くらいをじっくり観察しました。
北本自然観察公園観察ルート
JR高崎線北本駅に9時集合。バスで自然公園前バス停に移動し、公園入口部の自然学習センター前広場で9時半に開会式を行った後、4班に分かれて観察スタートしました。開始に先立ち、双眼鏡の使い方の練習、野鳥の探し方、捉え方をじっくりと学習します。この時期にしては暖かく薄日も射す中、午前中は公園中央部の草地、雑木林の「高尾の森」を巡りながらコゲラ、ホオジロ、シジュウカラ、メジロなどをまず観察しました。
コゲラを観察
シジュウカラを観察
「トンボ池」付近でシロハラ、平地でツグミ、枯れ枝が積もった草地で虫探しに集中するジョウビタキを観察。ジョウビタキのメスがポーズを取ってくれます。「メダカの十字路」の水辺、葦原でセグロセキレイ、ヒヨドリ、クイナを観察しました。「メダカの十字路」近くの草原で昼食休憩。前面の芦原の上をアオサギやダイサギが飛びすぎてゆきます。
ジョウビタキ(メス)
午後は公園西部の湿地・芦原、沼沿いを巡りました。「桜土手」沿の湿地では魚を狙って構えているダイサギを観察。「子供公園口」に通じる芦原をまたぐ橋からはやぶの中のアオジ、シメ。木立を飛び回るエナガ。その先の芦原や草原や木立でキジバト、ヤマガラ、ガビチョウを観察。出発地の広場に戻る途中の芦原に面した「あずまや」では、人なれしたアオジのお出迎えを受けました。「高尾の池」の湖面ではコガモ、餌を狙い何度もホバリングするカワセミを観察しました。「八つ橋」の先の湿地では、セグロセキレイと湿地に同化して溶け込むタシギを発見。フィールドスコープではっきりと浮かび上がるタシギに参加者は感嘆しました。
カワセミ
タシギ
タシギをとらえたフィールドスコープを通してスマホで撮影しました。リンクをクリックするとYoutubeで見ていただくことができます。

キヅタで越冬しているウラギンシジミも観察して、2時半過ぎには全班出発地の広場に戻りました。鳥合わせを行い27種を確認しました(班によって見られた種は若干の違いがありました)。感想をお聞きして解散とし、全員でバス停に向かいました
参加者からは「天気にも恵まれたくさんの野鳥を見ることができて良かった。」「カワセミがホバリングを長くしているところ、池に飛び込み魚を取って食べているところ、陽射しを受けた瑠璃色など、よく見られてうれしかった。一生忘れられないです。」「タシギを初めて見ました。まわりに同化していて、居る場所を教えてもらってもまったく分からなかった。スコープで見てやっと分かり、感激しました。」「北本公園に始めてきましたが、池や湿地、草原、森などいろいろあっていいところですね。」「シジュウカラがたくさんいて、近くでも観察でき、よく見ると色がとてもきれいでした。」「シメをじっくり見ることができた。尾の近くの羽(風切羽)の色がきれいだった。」など、うれしい感想をいただきました。
報告:杉山
参加者の西山さんから当日の写真をいただきました。
ありがとうございました。
他の方も良い写真がありましたらお送りください。
コメント
いつもありがとうございます
バードウォッチングなので、静かに鳥を観察と思いましたが、最後の大トリが「タシギくん」泥田と同化していて、皆「どこ?どこ?白いゴミの上!もっと上!」「左手にもう一羽いる、横向いてる!くちばし長い!」スコープ見させていただき、わぁーわぁー、湿地と同じ色で凄い!皆驚き!
足元、1メートル下にアオジくん2羽、左手樹木にはジョウビタキがヒーヒー感高い声で鳴いて、こっち向いて😆と。
とても楽しかったです。
カワセミのホバーリングを初めて見られ感激しました。
中谷さん、コメントいただきありがとうございます。
タシギでみなさんがあんなに盛り上がったのは、スタッフも驚きでした。とっても地味な鳥なので、きっと「タシギ?ふーん」くらいかなと思っていたのですが、その地味さがみなさんに受けたようですね。鉄板のカワセミと人気を二分していました(笑)
またのご参加をお待ちしております。