【イベント実施報告】黒山三滝から紅葉の顔振峠~義経伝説と滝のある道

よく晴れた休日に22名のご参加をいただき、越生駅からバスで黒山三滝、大平山の役行者像、顔振峠を経て、吾野駅まで、高低差370m/行程8kmの山登りハイキングを楽しみました。

(紅葉の道を歩く)

黒山三滝と大平山登山道は、1300年代の終わり頃に山岳仏教の修行の場として開かれたとされています。黒山バス停を降りて30分程歩くと、最初に天狗滝、その先に男滝、女滝があり、総称して黒山三滝と呼ばれています。谷が狭く、湿度が高いため暖地性のシダ類の群生や多くの苔類が見られ、これらの植生全体が県の天然記念物に指定されています。中でもこの地が国内分布の北限である稀少なアオネカズラを探して歩き、滝の辺りでようやく発見し、皆で珍しいシダの姿を観察しました。

(黒山三滝の男滝・女滝)

三滝からは、300mほどの高さの山道を登っていきます。
オオモミジやイタヤカエデ、ハウチワカエデの美しい紅葉がみられました。

かなり登った大平山(530m)の手前に修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)の石像が祀られています。このような深い山地によく造ったものだと感心いたしました。

(役行者像)

顔振峠に向かう尾根道(舗装道)に出てから、急に視界の開ける場所で奥多摩方面の山々が見えます。遠い御前山の左隣に薄く霞がかった富士山を見ることができました。薄くても富士山が見えると満足感が高いですね。
顔振峠(こおぶりとおげ 或いは かぁぶりとおげ)は、昔、源義経が奥州に落ちのびる際にここを通り、あまりの展望のすばらしさに何度も振り返り眺めたのでこの名前がついたと伝わっています。
右に秩父の武甲山、左に奥多摩の御前山を見る180度の展望の中、茶屋や高台で気持ちよくお昼をいただきました。

(顔振峠から秩父方面を望む)

下山は、4kmほどをひたすら吾野宿まで下っていきます。吾野宿は山岳修行の宿舎として、また秩父に向かう途中の宿として栄えた宿場町です。

参加者からは、「黒山三滝、渓流沿いの山道、山々の展望、里山の景色など変化に富んだコースで非常に楽しかった。富士山が見られたのがよかった」「距離がちょうど良く、山登りも楽しかった」「前から見たかったツクバネ(実)を見ることができてうれしかった」「黒山三滝で見たアオネカズラがとても印象深かった」「ツルリンドウやサネカズラの鮮やかな赤色がきれいで印象的だった」等の感想をいただきました。そして参加者が口々に言っていたのは、「何より天気に恵まれ、さわやかな登山ハイキングができてとても楽しかった」という感想で、大変好評を得ました。

<観察した主な植物>

(アオネカズラ)

(ツルリンドウ)

(ツクバネ)

(サネカズラ)

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