【イベント実施報告】奥武蔵 白雲山鳥居観音 アカヤシオとマキノスミレの桃源郷

西武池袋線飯能駅からバスで約40分乗車し、小殿で降りて広場で開会式。その後各班4−5名ずつに分かれて観察会をスタートしました。暖かな春の陽ざしの中、名栗川の川岸ではソメイヨシノが満開を迎えていました。道端にはカテンソウ、ヒメオドリコソウ、セントウソウなどの野草が咲いています。途中の神社境内には、サンシュユが淡黄色の花をいっぱいにつけていました。

ほどなく鳥居観音に到着。ここは埼玉百選に選ばれた観光名所であり、広さが約30ヘクタール(東京ドーム6.5個分)ほどあり、山頂の救世大観音をシンボルに、本堂・玉華門・仁王門・大鐘楼・平和観音のほか、玄奘三蔵塔は西遊記でお馴染みの三蔵法師の霊骨が祀られていると言われています。ハイキングコースの山道脇には、カタクリ、たくさんのスミレの仲間、ミミガタテンナンショウ、ヤブレガサ、キランソウ、カキドオシ、フッキソウの群落など、春を感じさせる草花がたくさん見られます。

(カタクリ)

ミツバツツジはあたり一面に花を咲かせ、道の両側で咲いているところでは、まるで薄紫色のトンネルのようです。シキミも淡い黄色の花をつけていました。ウグイスのさえずりも聞こえてきます。ヤマザクラも大きく広げた枝に満開の花をつけていました。大きな地球儀の上に平和観音像が立つ場所の見晴台では、間近にアカヤシオの淡い紅紫色の花が見られ、参加者からは「上品で素敵ね~。」との声が上がります。眼下には名栗川、ミツバツツジが緑の木々を背景に鮮やかに目に映ります。

(ミツバツツジのトンネル)

(アカヤシオ)

(平和観音見晴台からアカヤシオを観察)

歩きながらスミレを探し、新しい種類のスミレを見つけるたびに、特徴を見ながらどのスミレか同定するのに夢中です。特に、マキノスミレを見つけると「やっと会えた、可愛い~」との声が上がります。また、日かげの岩場には、イワウチワが淡紅色の可憐な花を咲かせ、こちらも大人気です。

(マキノスミレを観察中)

 

(マキノスミレ)

 

(イワウチワ)

玄奘三蔵塔や、大観音の付近で昼食をとり、午後は車道を歩いて下ります。沢の近くには、ツルネコノメソウ、ニッコウネコノメ、ヤマネコノメソウなどが見られました。その後、鳥居観音を出て尾須沢に向かいます。途中の落葉樹林の下にはニリンソウの群落があり、可愛らしい白い花を咲かせていました。また、ジロボウエンゴサク、ミヤマキケマンが花をつけていました。尾須沢では、トウゴクサバノオの可憐な花を見ました。ここの群落は滅多に見られないほど見事なものです。

(ニッコウネコノメ)

(トウゴクサバノオを観察中)

(トオゴクサバノオ)

観察したスミレ

マキノスミレ、フモトスミレ、エイザンスミレ、ナガバノスミレサイシン、ノジスミレ、タチツボスミレ、ヒメスミレ、ヒナスミレ、コスミレ、アオイスミレ、オトメスミレ、フイリゲンジスミレなど

参加者からは、「期待していたミツバツツジ、アカヤシオ、イワウチワが堪能できてよかった。」「マキノスミレをはじめ、いろいろなスミレを見ることができて良かった。」「今回のコースは、あまり知られていないところで、人が少なくてゆっくりと観察できとてもよかった。」「1人ではあんなにいろいろなスミレや草花を見つけられないが、ガイドしてもらうことでたっぷり観察することができて嬉しかった。」などの感想が寄せられ、大変好評でした。

コロナ禍で一年越しの開催となりましたが、良い天気にも恵まれ、春らんまんのとても楽しいハイキングとなりました。

吉原秀敏

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