2023年6月8日
秋田の花の名山である「秋田駒ヶ岳」で草花を中心に観察して来ました。東京からの日帰りは難しいですが、麓には乳頭温泉などの名湯も多く、前泊すれば比較的簡単に登頂することが可能です。
幾つかの登山コースが有りますが、今回は最も手軽な八合目小屋(標高1300m)を登山口とする「新道コース」から入山、最高峰の男女岳(おなめだけ、女目岳とも書く、1637m)を登頂、「ムーミン谷」と呼ばれる秘境を経由し「シャクナゲコース」で八合目小屋へ戻る周回ルートとしました。
この時期、平日であれば八合目までマイカーで入れます。土日祝日はマイカー規制がありますので、麓からシャトルバスでのアクセスとなります。男女岳往復なら、朝ゆっくり出発して、ゆっくり登っても2時間程で登頂、お昼頃には下山できます。
八合目小屋から望む最高峰の男女岳
八合目小屋からは「新道コース」と呼ばれる良く整備された登山道に入ります。早速、多くの草花が次々と現れます。
イワカガミは咲き始めたばかりでした。
ミヤマスミレ
ウスバスミレ
オオバキスミレ
花弁が透明なサンカヨウ 今朝までの雨からのプレゼントです。
一か所、雪渓をトラバースしますが、アイゼン無しで通過できました。
雪渓を通過した辺りからミヤマキンバイの群落がいくつも現れます。
阿弥陀池と避難小屋
避難小屋から望む男女岳 ここから標高差約100m、崩壊地脇の階段を上ります。
途中、登山道脇に華麗なヒナザクラ(サクラソウ科)が現れました。
チングルマは咲き始めたばかりです。
男女岳山頂 荒涼としています。
展望は抜群で、お天気が良ければ岩手山、森吉山、鳥海山など東北の名峰が望めます。
阿弥陀池から男女岳
池の周りでは何羽ものビンズイ(セキレイ科)が盛んにさえずっていました。
木道を辿って第2の高峰「男岳(おだけ)」(1623m)に向かいます。
男岳から「ムーミン谷」と呼ばれる谷を望む 手前はミヤマキンバイ
男岳にはシラネアオイの群落がありました。
背後の男岳から急坂を下って木道の通るムーミン谷へ
ムーミンが住んでいそうな秘境なので名付けられたとか
ムーミン谷から横岳への「大焼砂」と呼ばれるザレ場
左右はミヤマキンバイ(右側の黄色い群落)、コマクサ、タカネスミレ等の群生地です。
タカネスミレは開花直前で、もう少しで大群落の開花が見られるでしょう。
コマクサは葉だけで、開花はまだまだ先の様でした。
丸いピークの「焼森」経由で「シャクナゲコース」へ
森と言っても樹木は全く無い、はげ山です。
東北地方では山のことを単に「森」と呼ぶことが有るようです。
ピンクのコミヤマカタバミ
最後にミツバオウレンを観察して、八合目に下山しました。
今回はムーミン谷まで回りましたので、いくつかの雪渓やガレ場の通過がありました。新道コースの男女岳往復だけであれば、初心者でも安全に登れ、多くの草花を観察できます。お天気が良ければすばらしい展望も楽しめるでしょう。東京からは少々遠いのが難点ですが、季節を変えて何度でも訪れたい山の一つとなりました。
中澤 均
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